2025年の大阪・関西万博を控え
会場である夢洲(ゆめしま)でメタンガスが発生している問題が
注目を集めています
では、なぜこのようなガスが発生するのか?
原因を探ってみましょう
メタンガス発生の主な原因とは?
① 廃棄物処分場だった夢洲の土壌
夢洲はもともと廃棄物処分場として利用されていたエリアです
過去に生ごみや工業廃棄物などの有機物が埋め立てられており
それらが分解される過程でメタンガスが発生します
この分解は「嫌気性分解(けんきせいぶんかい)」と呼ばれ
空気のない状態で微生物が有機物を分解すると
二酸化炭素とともにメタンが生成されます
② 地下空間に滞留するガス
建設作業中に掘削や地下工事を行うことで
地中に溜まっていたガスが浮上・滞留することがあります
特に密閉空間ではガスが逃げ場を失い
濃度が高まる傾向があります
実際に起こった事故とその影響
2024年3月、会場内で行われていた溶接作業中に
地中に滞留していたメタンガスに火花が引火し爆発事故が発生しました
この事故では約100㎡のコンクリート床が損壊し
改めてメタンガスの危険性が浮き彫りになりました
現在の対応と課題
・基準値を超えるメタンガス濃度
2025年4月6日には、会場内で基準値を超える濃度のメタンガスが検出され
爆発のリスクがあることが再確認されました
・換気と監視の強化
大阪・関西万博協会は、32億円をかけて換気設備を導入し
ガス濃度の監視体制を強化しています
測定回数や地点も増やし
リアルタイムのリスク把握に努めているとのことです
・懸念の声も
地元議員や専門家の中には
「危機管理が甘いのではないか」
「廃棄物処分場跡地での開催は無理がある」といった
厳しい意見も
一部では開催中止や延期を求める声も上がっています
まとめ:メタンガス問題は“土地の履歴”に目を向けるべき
メタンガスの発生は偶然ではなく
夢洲という土地が抱える過去の履歴に由来するものです
安全対策が進められているとはいえ
今後の作業や本番中の管理体制が問われています
万博の成功のためには
透明性ある情報開示と徹底したリスク管理が
求められるでしょう